動物の手術の解説


動物にはどのような病気があり、
その中で手術が必要な病気はどんな病気なのか?
どのような手術が行われているのか?
飼い主の方々からのご要望で本ページを作りました。
一般の方向けにわかりやすくするために、
正確には医学的、獣医学的には、余り好ましくない表現を
用いているところがありますが、ご了承下さい。


注意事項

本ページに掲載される病気が、必ず外科的な処置を必要とされるものではありません。
同様の病気であっても、外科的処置を避けることができるケースもあります。
担当の獣医師と十分に相談してください。
お子さまおよび臓器や血液が苦手な方の閲覧はご遠慮下さい。



会陰尿道瘻形成術
掲載・更新日:2006/09/14
 尿道閉塞は猫に多い病気です。原因は結石や砂粒上の結石が狭い尿道に詰まってしまう事が原因です。ほとんどのケースは適切な食餌療法と内科療法(数日の入院が必要になるケースもある)で改善します。しかしながら今回のケースのように尿道閉塞が継続的に起きた事で尿道の先端が壊死したり、再疎通が望めない場合、実施されます。
 おしりの部分の尿道を露出して、閉塞している場所まで尿道を切開していきます。


壊死している部分を切除し、尿道を形成します。



壊死した尿道の先端部です。2箇所に非常に狭い尿道が観察されます。手術後は再発防止のための食餌療法と定期的な尿検査が必要です。

きれいな傷は乾かさないで
掲載・更新日:2006/09/06
 足を痛そうにしている。
 指には、大きな穴が開き、化膿してました。恐らく草の実などの異物が刺さり化膿したことが考えられます。
 洗浄、処置後、新鮮な組織状態になりました。





 欠損組織を埋める特別な軟膏と乾燥を防ぐ特別なフィルムを貼りました。






処置後1週間の写真です。欠損組織が埋まり非常に速い治癒が観察されます。







処置後14日目です。治療終了です。

以前から慣習的に使われてきた消毒薬を一切使いません。消毒薬はばい菌を殺しますが、この様な傷に使用すると直そうとしている細胞も殺してしまいます。また、治ろうとしている細胞には水分が必要です。傷を乾かす事で治ゆを遅らせてしまうことが最近の研究で分かっています。

消化管リンパ腫(リンパ肉腫)
掲載・更新日:2006/09/02
 2,3日前から下痢があり、便に血液が混じる。
身体検査にて腹部にしこりが認められた。
血液検査及び画像診断検査を行った


カラー超音波検査にて血流のある腫瘤が認められた。
消化管型リンパ腫、腎臓癌が疑われました。


試験的開腹術にて、消化管リンパ節の腫大が確認されました。
腎臓は正常でした。

細胞診にてリンパ肉腫と診断され、摘出せずに閉腹しました。


手術後の回復を待ち、化学療法を開始しました。腫瘍は順調に縮小し、完全治癒することに成功しました。今でも元気に過ごしております。
 通常リンパ腫の場合は、外科的摘出は行いません。最も良い治療が化学療法と考えられています。

異物による腸閉塞
掲載・更新日:2005/08/09
2から3ヶ月程の仔犬が嘔吐をする事で来院しました。保護された子犬のため、保護前の空腹に耐えかねて何かを食べてしまったのでしょう。腹部の触診にて異物が確認され、緊急手術となりました。
 手術前に点滴をつけられ、飼い主さんの許可のもと、あまりにかわいい姿なので載せてしまいました。

 異物は、回腸にあり腸閉塞を起こしていました。今の飼い主さんの保護が遅れていたら、大変なことになっていたでしょう。とても幸運なワンちゃんです。

 無事に、異物は摘出され、腸の炎症もそれほど問題はないようなので、一般的な方法で縫合しました。

写真は摘出された異物ですが・・・ずいぶんと大きなタネを呑み込んだようです。

 今は保護してもらった飼い主さんと家族同様暮らしているラッキーなワンちゃんです。

肛門周囲腺腫
掲載・更新日:2005/05/08
 14才の男の子ビーグル犬です。去勢をしていない老犬に多発します。はじめは小さな豆粒大でしたが、徐々に大きくなり、感染と自潰がひどくなり、老齢犬ですが飼い主さんと十分相談し、手術に踏み切る事になりました。

 肛門嚢腺とは異なり、肛門の周囲に存在する分泌腺を肛門周囲腺といいます。良性のことが多いのですが、性ホルモンが関連していることが多いようです。
 
 写真は肛門を時計に例えると、6時から9時方向に大きな自壊したしこりが観察されます。

摘出後の肛門です。イソジン軟膏が塗ってあります。

摘出した腫瘍です。病理組織検査で良性であることがわかりました。このワンちゃんは快適な排便をすることができるようになりました。

尿道結石
掲載・更新日:2005/05/08
 膀胱内にあった結石が尿道に移動し、急性の尿道閉塞を起こしました。このワンちゃんの場合は、膀胱炎症状や膀胱結石の症状が無く、この様な症状が出るまで飼い主さんは気付かなかったようです。膀胱結石は違う目的で腹部のレントゲンを撮った際に偶然発見されるケースも少なくありません。

 尿道結石は陰嚢(精巣)の上にあり、さらに前立腺肥大も併発していため、去勢手術も実施しました。

 可能な場合は、尿道にある結石を膀胱内に戻してから膀胱結石を摘出しますが、今回の場合は、戻らなかったので、尿道切開を実施しました。写真はしっかりと尿道につっかえている結石です。

そして摘出後の結石ですがとがっています。とても痛そうですね

 予防には定期的な尿検査とレントゲン検査の実施です。

 

動脈管開存症
掲載・更新日:2005/04/23
 先天的心疾患のうち、手術が可能な病気の一つです。このワンちゃんは成長不良でワクチン接種時に発見されました。茂原市しのざき動物病院の協力です。

 動脈管開存症:胎生期(母親の体内にいる時)に必要な血管ですが、生まれて1週間程で閉鎖する必要がある血管です。この血管が生まれた後も開存してしまう先天的心臓病です。

 開胸手術にて心臓のすぐ上部にアプローチします。肺動脈と大動脈をつなぐ動脈管を糸で縛ります。

腎臓癌
掲載・更新日:2005/04/23
高齢のワンちゃんでしたが、最近よく水を飲み、沢山の尿をする事に飼い主さんは異常を感じ来院されました。
(写真一)
腎臓は背中側にあり、特に右側の腎臓は肝臓と接していて腹部の奥底に存在します。腎臓癌は正常の組織とほぼ同等の大きさまで成長していました。
(写真二)
摘出寸前の腎臓です。
(写真三)
摘出後の腎臓ですが、正常の腎臓の約3倍以上に成長しています。腎臓癌は犬にとって珍しい病気です。またなかなか症状が出にくい病気で発見時にはこの様に大きくなってしまっていることが多いようです。

◇解説
掲載・更新日:2005/02/23
●飼い主さんが気づいていたこと
外に遊びに行く猫。2.3日前からちょっと食欲または元気がない。
患部に熱感・腫れてきた。

●診断/病気/写真の説明
猫の咬傷は、歯や爪が皮膚を貫通し、皮膚だけが治癒した後に、中で化膿する傷を負うことが非常に多く見られます。
通常、アブセスといい、中にたまった膿を排出させるための手術を行う必要があります。

子宮蓄膿症
掲載・更新日:2005/02/23
発情出血の後に発症することが多く、発情出血から、1から3ヶ月間は厳重な観察が必要です。
 原因は発情出血時に子宮頸管から細菌が侵入し、その後子宮頚管が閉鎖し、子宮内で細菌が繁殖するといわれています。
 細菌が子宮内で繁殖すると、大量の膿と細菌毒素が発生し菌と毒素が全身に回ると敗血症をおこし死に至ります。

 重度心臓病や老齢、様々な理由により内科療法を選択する飼い主さんもいますが、手術による子宮卵巣全摘出術が最も有効な手段といえます。

 写真は手術時の子宮ですが、通常の数十倍に腫れあがっています
写真2は摘出子宮を切って内容物を出したところです。大量の血膿が認められました。

子宮疾患は、
●卵巣摘出していない
●発情出血開始から1〜3ヶ月
●3歳以上(以下でも発症有り)
●出産歴がない
(出産歴があっても、この病気になる事があります)
の犬に多く見られるようです。

猫にもありますが、子宮水腫の方が多いようです。

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