
私たち人間同様、動物たちの成長過程にも発達段階があります。誕生後から整理するとその段階は順にこのように呼ばれています。
あなたのワンちゃんが人間の生活にうまく順応し、理想的な家族の一員になるためには「しつけを行うこと」だけでなく、この「犬としての発達に合わせた経験をさせること」が重要となります。特に大切な社会化期を中心に、それぞれの段階に合わせて紹介します。
誕生直後の犬は目も開いておらず、ミルクを飲むことと睡眠をひたすら行うだけです。この時期は排せつすら母犬が陰部や肛門をなめないと行うことができません(したがって人工保育を行う時は人間が刺激を与える必要があります)。しかしミルクのありかを知るための臭覚はすでに発達していて、母犬や乳房の臭いを感知できます。そこでこの時期から犬の親子を人間の生活域の中に置くと、人間の臭いを知らず知らずのうちに経験するので、臭覚や聴覚が発達した時にも怖がらずに人と接触できるようになるといわれています。つまり子犬の経験やその影響は生まれた時から、あなたの手元に来る前から始まっているわけです。
この時期になると目がうっすら開き、身体もしっかりしてくるので寝床の中で動き回ることができます。また移行期の後半には母犬の刺激がなくても自発的に排せつします。臭覚以外に視覚、聴覚の機能も活発になるので、脳の発達が顕著なのもこの時期の特徴です。
◆◇前半(約7週齢まで)
視覚や聴覚、身体の機能もしっかりし、好奇心が旺盛になってきます。この時期の子犬たちは、寝床から出て兄弟同士遊んだり、周囲を探索したりするようになります。食事をとって眠るだけではなく、興味あるおもちゃを見つけて兄弟と取り合いをしたり、母犬相手にレスリングを試みたりと活発に動くことで、犬として必要なコミュニケーション法を学んでいるのです。のちにしつけや家族の一員として育てる場合に不可欠な「順位制」や「相手との関わり合いである社会性」も、この時期にまず親や兄弟から学びます。したがって社会化期前半まで(少なくとも生後約7週齢まで)は母犬や兄弟犬の元で育てることの重要性は注目されていて、国によっては子犬の流通に年齢規制をもうけているところもあります。

◆◇後半(生後7週齢〜12週齢)
コンパニオン・アニマルである犬や猫は自分と同種の動物だけでなく、人間とも共存し人間社会にも適応する必要があります。そこで前述した社会化期に同種の動物と十分接触させ、さらに積極的に人間社会も体験させることが特に大切です。今までに「新しく子犬をもらう時期は生後2ヶ月齢が適当だ」と言われてきたことも、実はその時期こそがまさにこの社会化期後半であるからです。新しい飼い主の育て方次第で適切な社会化ができるかどうかが決定される重要な時期といえるでしょう。人見知りをし、恐怖感を持つ前に適切な社会化ができるよう以下に具体的な方法を示します。
はじめに
人間と生活する犬(以下犬)は、祖先のオオカミが群れで暮らしていたのと同様に、飼い主家族と犬自身を群れとして生活をしています。その群れの中で、犬はリーダー(=アルファ)を必要とし、飼い主がリーダーとなって犬を安心させなくてはいけません。しかし犬がリーダーになってしまっている場合があり、これをアルファシンドローム(権勢症候群)といいます。
アルファシンドロームは飼い主対犬の関係、環境、犬の性格などが問題となり、いろいろな犬の問題行動の原因となっています。これから示す15のプランを用いて、あなたがリーダーであることを示し、ワンちゃんとのよりよい関係を築いていってください。
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あなたと犬との間に、コミュニケーションができるチャンネルをまず確立することが大事です。そのために、名前を呼んだら犬があなたに注目し、目と目が合うように教えます。これをアイコンタクトといいます。 |
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食事の時間を利用して、あなたがリーダーであることを分からせるようにします。 |
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飼い主と犬との食事時間が重なるようなときは、必ずあなたから食事を始め、その後で犬に与えるようにします。犬の食事は食器に用意しておいて、飼い主や家族が座って食事を始めるまで、犬の口の届かない所に置いておきます。 |
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犬がかまってほしいとあなたの所に来たら、いわれるままになでたり遊んだりするのではなく、まず「おすわり」などをさせて上手にできたことに対するごほうびとして、たくさんほめてかまってあげるようにします。 |
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犬とテリトリー(家、車など)に入ったり出たりするときは絶対に犬をあなたより先に行かせないで下さい。玄関や門の前、車の前などでリードを使ったり、言葉で命令するなどして、犬を待たせるようにします。 |
6.リーダーがテリトリーを支配する
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犬はリーダーであるあなたにテリトリーを譲らなくてはいけません。 |
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命令するときはお願いしたり叫んだりしてはいけません。 |
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犬とゲームをするときは必ずあなたが主導権を握るようにしてください。 |
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犬とベッドを共有すると、犬はあなたを同格の仲間と思い込んでしまいます。 犬を寝室に入れて別の寝床で寝かせるのはかまいませんが、犬があなたをリーダーとはっきり認識するまではベッドにあげてはいけません。 |
手を犬のマズル(=口吻)の上に置き、そのまま数秒間軽く押さえておきます。
犬をなでるときに自然にやるようにします。これをマズルコントロールといいます。
犬の社会では優位者が劣位者の口吻を軽く噛み、お互いの信頼関係や上下関係を確認しあう、いわば儀式のようなものです。ただし、噛んだりうなったりする犬には無理にしないで、他の方法で飼い主に従うようにトレーニングをしてからマズルコントロールの練習をして下さい。
犬には定期的にグルーミングしてあげ、体中どこを触っても大丈夫な様に慣らさせます。
陽性強化法(うまくできたらごほうびをあげてその行動を強化することで嫌がる場所も徐々に慣らしていきます。嫌がってじっとしていないようなら、ピーナッツバターなどを犬の頭の高さに冷蔵庫のドアなどに塗り、それをなめさせながら手入れをします。
これにより頭をじっとさせられ、またごほうびにもなります。
犬が喜んで床の上でグルーミングを受けるようになったら、今度はテーブルやベンチの上にあげてグルーミングします。
これは診察台の上で診察を受けるのにも役立ちます。犬が3ヶ月齢に満たなければ、抱き上げて腕の中で仰向けにします。静かにしていたらほめてあげ、暴れるようなら何も言わないで腕の中で静かになるのを待ち、静かにしていられたら床に戻してあげます。この場合は「もがいても自分の自由にはなれない」事をはっきり示すことが大切なのです。
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訓練するのです。 |
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最初は犬に「フセ」の命令で伏せるように教えます。 |
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一日に一度はおなかをさすってあげましょう。まず「フセ」の命令をします。フセを知らなければおもちゃやおやつで誘導してフセをさせます。そして片方の太股の内側をかいてあげることから始めます。あなたの注意を引きつけてリラックスできると犬が理解すれば、犬は進んでおなかを見せるようになります。服従の姿勢をとるのがどんなに楽しいかを教えてあげます。 |
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常に安定した態度でしつけることが大切です。短気ではいけません。 |
最後に・・・
現在あなたはいくつのことが実行できているでしょうか。
この15のプランを実行してみることで、犬との生活がいっそう楽しくなることは間違いないでしょう。
本来の犬の性質を利用した犬との会話法を是非実行してみてください。
この表はその実行ができるまでのチェック表です。是非ご利用し、犬との生活を満喫してください。
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