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当院で奨励している犬のしつけ方法のご紹介−1

子犬の社会化の重要性

私たち人間同様、動物たちの成長過程にも発達段階があります。
あなたのワンちゃんが人間の生活にうまく順応し、理想的な家族の一員になるためには「しつけを行うこと」だけでなく、この「犬としての発達段階に合わせた経験をさせること」が重要となります。
特に大切な社会化期を中心に、それぞれの段階に合わせて紹介します。

犬の発達段階
新生児期生後0〜2週齢
移行期生後2〜3週齢
社会化期生後3〜12週齢・・・前半/後半(かみつく力の調節)
若年期12週齢〜性成熟
成熟期性成熟〜生涯

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新生児期(生後0〜2週齢)

誕生直後の犬は目も開いておらず、ミルクを飲むことと睡眠をひたすら行うだけです。
この時期は排せつすら母犬が陰部や肛門をなめないと行うことができません(したがって人工保育を行う時は人間が刺激を与える必要があります)。
しかしミルクのありかを知るための臭覚はすでに発達していて、母犬や乳房の臭いを感知できます。
そこでこの時期から犬の親子を人間の生活域の中に置くと、人間の臭いを知らず知らずのうちに経験するので、臭覚や聴覚が発達した時にも怖がらずに人と接触できるようになるといわれています。
つまり子犬の経験やその影響は生まれた時から、あなたの手元に来る前から始まっているわけです。

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移行期(生後2〜3週齢)

この時期になると目がうっすら開き、身体もしっかりしてくるので寝床の中で動き回ることができます。
また移行期の後半には母犬の刺激がなくても自発的に排せつします。
臭覚以外に視覚、聴覚の機能も活発になるので、脳の発達が顕著なのもこの時期の特徴です。

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社会化期(生後3〜12週齢)

◆◇前半(約7週齢まで)

視覚や聴覚、身体の機能もしっかりし、好奇心が旺盛になってきます。
この時期の子犬たちは、寝床から出て兄弟同士遊んだり、周囲を探索したりするようになります。食事をとって眠るだけではなく、興味あるおもちゃを見つけて兄弟と取り合いをしたり、母犬相手にレスリングを試みたりと活発に動くことで、犬として必要なコミュニケーション法を学んでいるのです。

のちにしつけや家族の一員として育てる場合に不可欠な「順位制」や「相手との関わり合いである社会性」も、この時期にまず親や兄弟から学びます。
したがって社会化期前半まで(少なくとも生後約7週齢まで)は母犬や兄弟犬の元で育てることの重要性は注目されていて、国によっては子犬の流通に年齢規制をもうけているところもあります。

社会化期

◆◇後半(生後7週齢〜12週齢)

コンパニオン・アニマルである犬や猫は自分と同種の動物だけでなく、人間とも共存し人間社会にも適応する必要があります。
そこで前述した社会化期に同種の動物と十分接触させ、さらに積極的に人間社会も体験させることが特に大切です。
今までに「新しく子犬をもらう時期は生後2ヶ月齢が適当だ」と言われてきたことも、実はその時期こそがまさにこの社会化期後半であるからです。新しい飼い主の育て方次第で適切な社会化ができるかどうかが決定される重要な時期といえるでしょう。
人見知りをし、恐怖感を持つ前に適切な社会化ができるよう以下に具体的な方法を示します。

子犬の適切な社会化のために
犬に対して
社会化期

親元を離れた子犬を室内飼育すると、他の犬との接触はほとんどなくなってしまいます。
たとえ親犬や兄弟とともに育っても、その後(特に社会化期後半)に他の犬との接触がなければやはりコミュニケーション能力が不完全な犬になってしまうので、親元を離れた後も年齢や体格の近い犬と接触する機会をなるべく持つ必要があります。

人に対して
社会化期

核家族や一人暮らしでは犬が他人と接する機会もおのずと少なくなります。
しかし、人間社会で生涯暮らす以上、人との接触は避けることができないので、今のうちに多種多様な外見の人、例えばひげ、めがね、帽子、傘をさす人、子供、大人、老人など様々な年齢層、乳母車を押した人、大きな袋を持った人など、様々な通行人に会わせることは、その後の問題の予防にもなります。

環境に対して
社会化期

動物が見知らぬものを恐れたり、避けたりすることは自然界で生存する上で不可欠なことでした。
しかし犬の場合、人間社会に対して恐れを抱いてしまうと、日常生活の中で問題を起こし、飼い主との関係にも悪影響を及ぼします。
そこで、前述したようにその子犬が将来接する環境に慣らしておくことはその後のしつけを容易にさせます。
子犬にとって見知らぬものは全てその対象です。歩道橋、踏切、階段などから始まり、将来その子が触れる環境は全て含まれます。車に乗せる練習などもこの時期から始めると良いでしょう。

噛みつく力の調節
社会化期

このほか社会化期の子犬に必ずマスターして欲しいことには、「噛みつく力の調節」があります。

周囲の物を確かめるために口を使うことは人間の幼児同様、子犬の自然な行動です。しかしその対象により噛む力を調節しなくては、コミュニケーションはもちろんのこと、家具なども破壊し、人間社会での生活はできなくなってしまいます。
本来母犬や群れの年長者から習う「噛みつく力の調節」を飼い主も意識して教育してください。人が痛いのを我慢して犬と遊ぶのではなく、犬に噛む力を抑制することを教えるためには、人間の手や服などを決して遊びの対象、おもちゃの代わりにせず、決して歯を当てないことを教えることがまず大事です。
その一方で旺盛な子犬の好奇心を満足させるために、適切なおもちゃと運動も十分に行います。

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若年期(12週齢〜性成熟)

体格がかなり大きくなり、大型犬ではすでに体力負けしてしまうこともあるのが、この年齢です。
性成熟に達してホルモンの状態に変化が出て、雌雄特有の行動が出現する前に社会化期から目標にしていること(人や犬や環境への社会化、噛む力の調節)が実現できた方がその後の問題も少なくなります。
また、すでに犬の行動に振り回されて対応が分からない場合は早めに専門家に相談してください。

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成熟期(性成熟〜生涯)

性成熟に達することで身体の成長はほぼ完了しますが、精神面や経験は年齢に応じて発達し、変化します。
つまり、良いことも悪いことも経験を重ねるごとにそれぞれの犬の行動に影響を与えているので、社会化期までの子犬のように、共通した項目だけを教えたり、決まった方法で対応したりすることは不可能になります。
何歳になってもしつけは可能ですが、悪い経験をしていればしているほどその矯正には時間と根気が必要です。
また問題となる行動の種類によっては、避妊手術や去勢手術、薬物治療を併用することもあります。

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アイコンタクト dogいかがでしたか?
ここまでは、「犬としての発達段階に合わせた経験をさせることの大切さ」についておはなしをしました。
次は、あなたとワンちゃんとのよりよい関係を築くために、具体的なしつけ方法をご紹介いたします。
→人間が犬のリーダーになるための15のアルファー化プラン

 

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