動物の病気の予防


予防医学とは治療医学と相対するものです。多くの病気がある中で予防医学を行うことを最善とする病気は、治療医学では治癒しにくいものばかりです。
ここでは、数ある中で最低限、最愛のPETに行ってほしい予防医学のお話をします。




★ フィラリア症の予防をしよう
フィラリア予防

◆◇フィラリア症について


フィラリア症フィラリア予防のお話の前に、フィラリア症について


フィラリアとは寄生虫の名前です。最終的に特に犬(猫・フェレットにも寄生します)の心臓に住みつき様々な障害を起こす細長い虫です。長いものでは28cmもあります。
心臓は一時も休むことなく全身に血液を送り出します。その大事な臓器がやられるので肺・肝臓・腎臓などの多くの臓器に障害が出てきます。そして、様々な症状がPETを苦しめます。




フィラリアの原因フィラリアの感染経路は?


蚊(か)です。{夏にあのぶんぶんするやかましい〜虫です}




フィラリアの感染経路蚊(か)による感染経路


・図説(こちらをクリック)




フィラリア感染率夏を越した回数による感染率は?


夏を越した回数 →

1回

2回

3回

感染率 →

38% 89% 92%




◆◇フィラリア症の予防をしよう!


犬の血液検査 血液検査を受けましょう!


・1-血液中の子虫を検査
・2-成虫の免疫学的検査


<検査項目>

●1・・・子虫のチェック

●2・・・成虫抗原検査(親虫のチェック

●2・・・血中尿素窒素量(腎不全の早期発見)

●3・・・赤血球容積(貧血の早期発見)

●4・・・貧血度

●5・・・溶血度(赤血球が血管内で壊れる)原因はいろいろ

●6・・・黄だん度(主に肝機能)

●7・・・血清乳び(コレステロール・中性脂肪を反映)

●8・・・肥満度(肥満は万病のもと)


写真


↑画像をクリックすると
拡大画像をごらんいただけます

※犬は1年で人間に換算すると約4年、としをとります。
※健康と思われても、PETの体の状態を把握しましょう。
※ミクロフィラリア・簡易健康診断(報告書込み)


※当院では採取した血液で、簡易健康診断を同時に行います。





検査と診断診断率のお話


診断できる確率(感度)は、ミクロフィラリア検査(47.2%)、抗原検査(90.4%)といわれています。


検査結果
診断
陰性

●昨年予防薬を計画通り投薬している場合

予防はきちんと行われています。


●昨年予防薬を計画通り投薬しなかった場合

今回の検査で陰性であっても、ごくまれに感染の危険性があります。再検査やより詳しい検査が必要な場合もあります。


検査結果
診断

陽性

フィラリアの感染が認められます。
フィラリア症症状がどこまで進行しているか
詳しく血液検査、FCR(レントゲン)、超音波検査をお勧めします
治療法は下記へ




感染理由予防薬をあげていても感染する理由


1・・・投薬時期を早めに切り上げてしまった。
2・・・薬を与えるのを忘れてしまった月がある。
3・・・犬が薬を気づいていないうちに吐き出していた。




フィラリア予防薬フィラリアの予防薬とはフィラリア症の予防薬なのです。


つまり・・・フィラリア自体の進入を防ぐことはできません。
では、フィラリアの予防薬はなぜ効くのでしょうか?
蚊の感染経路の中で、1〜2ヶ月皮下にいるうちに子虫を殺すのです。
だから、月に1回の投与でフィラリア症の予防ができるのです。



●認可されているフィラリア予防薬とその効果・特徴(2003/4現在)
薬品名/メーカー 効果・特徴
写真 カルドメック
錠剤・ジャーキータイプ
大日本製薬株式会社
ジャキータイプ。予防はもちろん、同時に回虫、鉤虫を駆除
写真 モキシデック錠剤
共立商事株式会社
もし感染していても、安全性が高い?
写真 ミルベマイシンA
錠剤・顆粒
予防はもちろん、回虫、鉤虫、鞭虫を駆除
同時にノミ対策するものもある
写真 アドバンテージハート スポット剤で背中の皮膚から吸収させます。ノミも同時に予防します。


※以前から、大動物用の液体のお薬を併用されている方はその危険性を担当獣医師に十分にお聞き下さい。



◆◇もし、すでに感染していたら・・・


フィラリアの治療法治療法例


年齢や状態によって異なりますが、大きく4つに分けられます。
担当獣医と十分に話し合いましょう!


・1 - 緊急手術(フィラリア成虫摘出術)
・2 - ある種の予防薬を16ヶ月連続投与
・3 - 保存療法
・4 - フィラリア成虫駆除剤の注射投与



●治療法例
病名 症状 説明

急性フィラリア症
後大静脈症候群

赤褐色尿・喀血

緊急手術をする場合と保存療法を選択する必要があります。フィラリアはすでに多く存在し、心臓の弁に絡んだり、大静脈に詰まっている状態です。この状態でフィラリア摘出手術を実施した場合、当院での救命率は50%です。手術により詰まったフィラリアを除去できても、その後の回復は病状に左右されることが多いです。

末期フィラリア症

腹水・胸水・咳

比較的高齢で、運良くフィラリアが血管・心臓の弁に絡まずに生きながらえてきた場合のようです。
このとき、超音波でフィラリアを発見することは困難なことが多いです。また、フィラリア免疫検査でも弱陽性または陰性の結果が出ることもあります。しかし、レントゲンや他の一般血液検査(肝機能や腎機能・CBC)を行うことで、様々な臓器の病変が重度に進行していることが分かります。フィラリア症の腹水は肝臓から漏れ出ていることが多いようです。
心臓のお薬と呼吸抑制がある場合は腹水の抜去を行います。いわゆる保存療法を行います。

血液検査で陽性

たまに咳適度

本院では6歳以下で、健康状態が良好で8kg以上位を目安にして、フィラリア成虫駆除剤の投与を試みます。死亡したフィラリアが肺血管に栓塞し、ショック死することやお薬の副作用で2.3日元気がなくなることがあります。投与前の検査で抗原検査が強陽性の場合は実施しません。


現在この治療は、危険性の面からあまり選択していません。

血液検査で陽性

たまに咳、高齢
低リスクの治療


血液検査で陽性

       

フィラリア寄生期間をできるだけ、短縮させるために、また飼い主さんが安全な治療法を選択したいという場合、そして注射駆虫剤の投薬で危険性が高いと判断した場合に行っています。
フィラリア予防薬のうちの一つがその効果があることが分かりました。16ヶ月以上の連続投与を行います。月に一度、フィラリア症予防量のフィラリア予防薬を服用します。


現在ではほとんどの場合、この治療法が選択されています。



犬伝染病ワクチン

◆◇ワクチン投与プログラム


当院では子犬の社会化を早期に実現できるよう考えたワクチネーションプログラムを行っています。
できるだけ子犬に負担をかけず、多く存在する伝染病を予防するためにこのような方法で行っています。



●ワクチンで予防可能な病気
病名/ワクチン名 DHPPi
(NB-5)
DHPPI+L
(NB-7)
CN-9 病気の説明

犬パルボウイルス
感染症

経口感染。激しい下痢・おう吐を起こし、食欲が無くなり衰弱する。子犬の突然死はウイルス性心筋炎が原因。感染犬の便中ウイルスが感染源となる。伝染力が強く、犬ジステンパーと並び死亡率が高い。

犬ジステンパー

鼻水・目やに・尿などから感染。くしゃみ、鼻水、目やになどが出て、発熱、下痢、鼻炎、結膜炎、呼吸器及び消化器症状を示し、神経症状が出ることもある。子犬では死亡率の高い伝染病。

犬伝染性肝炎

便・尿・唾液などから経口感染。伝染性咽頭気管炎と同様に犬アデノウイルス1型の感染。下痢、おう吐、食欲不振などを示し肝炎を起こします。

犬アデノウイルス
2型感染症

犬伝染性喉頭気管炎は{kennel Cough}の原因の一つ。咳を主な症状とする呼吸器系疾患を起こします。他のウイルスや細菌と混合感染により症状が重篤となる。

犬パラインフルエンザ
感染症

{kennel Cough}の原因の一つ。咳、鼻水などの呼吸器症状を示します。混合感染や二次感染を起こすと重篤になります。

犬レプトスピラ感染症
(2種)


人獣共通伝染病です。(つまり人にもうつります)
感染動物の尿中から細菌が排泄され環境汚染します。症状は尿毒症、腎炎、黄だんを起こします。

犬レプトスピラ感染症
(3種)



犬コロナウイルス
感染症



おう吐、下痢を起こし、幼若な子犬の場合、犬パルボウイルスなどの混合感染で重篤になります。4週令頃に感染率が高く、母親には是非接種したいワクチンです。


●犬伝染病ワクチン

接種時期

ワクチン名

説明

5〜7週令時

5種混合ワクチン

●お母さんからの免疫が続いている場合は無効になってしまいます
●しかし切れている場合は、非常に有効です。この時期に感染症を起こしてしまうと感染症の種類によっては死亡することが多いです。

8〜10週令時

7種混合ワクチン

●お母さんからの免疫が続いている場合は無効になってしまいます
●しかし切れている場合は、非常に有効です。この時期に感染症を起こしてしまうと感染症の種類によっては死亡することが多いです。

11〜13週令時

9種混合ワクチン

●お母さんからの免疫が続いている場合は無効になってしまいます
●しかし切れている場合は、非常に有効です。この時期になるとほとんどの子犬は母親譲りの免疫が切れています。すでに前回の接種で免疫を獲得している場合も、プースター効果(さらに強い免疫を獲得することができる)によって強い免疫を獲得することができる。




★ ノミ・ダニ予防をしよう
ノミ・ダニ予防

◆◇感染時期は?


夏はもちろん、冬にも野外犬に感染することが報告されてます


●ノミ・ダニ予防方法
予防方法 特徴

○首輪
(動物病院で売られているもの)
※市販されているものの中では、全く効果のないものがあります。

以前から使われている飼い主さんには、絶大な支持があります。(以前は明らかに効果があるのはこの方法でした。)しかし、他の方法に比べると付着部位が脱毛したり、誤飲などには注意が必要です。

○フロントラインスポットオン

名前の通り、背中に体重にあった量をたらすだけ。安全性も高く。ダニが問題なら月に一回、ノミなら1〜3ヶ月に一回です。首輪に比べるとコストがかかります。効果・安全性の面ではおすすめです。

○フロントラインスプレー

全身にスプレーをするので、ちょっと大変。
指の間や爪の根本に(散歩後の夏のハコウ(四肢の歩行異常)の原因の一つ)寄生するダニ退治にスポットオンとの併用をおすすめします。

○フロントラインプラス

従来のフロントラインに、卵・幼虫・サナギのフ化を阻害する薬が加わり、さらに効果的に予防が可能です。




★ ネコちゃんの予防医学
ネコのワクチンによる予防医学

◆◇ワクチン投与プログラム


白血病のワクチンはすでに白血病に感染している場合、接種しません。
しかし3ヶ月後に再検査を実施し、持続感染を受けているかもう一度検査をします。


●猫のワクチンによる予防医学
疾病 症状 原因 ワクチン名

猫ウイルス性
鼻気管炎
(FVR)

経鼻感染、空気感染、食器、寝具等により、感染する。呼吸器病で、くしゃみ、鼻水発熱、角膜炎、結膜炎がみられ、重症では死亡する。ウイルスを体内にもったキャリアー猫が存在し、他の健康な猫への感染源となる

猫ヘルペスウイルス

3種混合ワクチン








猫カリシウイルス
感染症
(FCI)

上、下記の病気と混合感染する事が多く、口腔内の潰瘍急性角結膜炎、発熱等が見られる。関節や筋肉の痛みにより、うまく歩けなくなることもある。子猫の場合死亡することもある。

猫カリシウイルス

3種混合ワクチン

猫汎血球
減少症

子猫の突然死、腹痛、発熱、下痢を起こし、ショック死を起こすこともある。妊娠中の母親が感染すると、流産

猫パルボウイルス

3種混合ワクチン

猫白血病

グルーミング(なめ合う)、ケンカ傷、共通トイレ、食器から感染します。貧血、慢性鼻炎、体重減少、口内炎など様々。感染してから80%の猫が3年以内で死亡します

猫レトロウイルス

猫白血病ワクチン
リュウコゲン


●子猫のワクチネーションプログラム推奨例

9週令以上:3種混合ワクチン

3週間後

母猫白血病
または、
猫白血病・猫免疫不全ウイルス検査

陰性

陽性

<約2ヶ月後〜>

4種混合ワクチン


※再度、3週間後に追加接種をするのが理想
※2回以上の接種で多くの免疫獲得が期待できます(ブースター効果)

3種混合ワクチン

(インターフェロン療法併用)




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