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動物なるほど通信 vol.2

犬の手作り食のすすめ

犬の手作り食のすすめ−1

犬の手作り食について

犬の手作り食について、ご紹介いたします。

 手作り食の最大の利点は、愛情をかけて安全な食事を与えられることです。体は食べたものでつくられます。より自然に近いナチュラルなものを食べさせると、不必要な添加物をとることもなく、食べ物の生きたエネルギーを取り込むことができます。また、医食同源(※)の観点からも有益です。
 最近では様々な手作りの食のレシピ本が出ていますので参考になさっても良いかと思います。どんな栄養素をどのくらい与えたらいいのかは個体差があるので、心配な方や持病のある子だけでなくどなたでも、その子にあった手作り食の作り方についてご相談に応じています。
 手作り食に変えてから、毛艶や便の状態が良くなり、口臭や体臭が減り、何よりも愛犬がイキイキとすることが多いです。手作り食は量の割にはカロリーが低いのでたくさん食べられます。減量用の処方食でもなかなか痩せなかった子も無理なく痩せることがあります。また、皮膚の状態が良くなりアレルギー症状が改善したり、体調が良くなることもあります。市販のフードよりも美味しそうに食べるので飼い主様も愛犬も心が満たされ、幸せな気持ちになり、信頼関係もより深まります。どうぞご興味のある方は一度ご相談下さい。

※医食同源とは、日頃からバランスの取れた美味しい食事をとることで病気を予防し、治療しようとする考え方です。

文責:獣医師 澤村めぐみ

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犬の手作り食のすすめ−2

一般的なレシピのご紹介

 今回は、私が普段飼い主さんにお話している犬の手作り食の一般的なレシピをご紹介します。最初からあまり難しく考えずに、愛犬が健康な状態なら気軽に身近な食材から始めることができます。
 まずは一食を手作り食にしたり、ドッグフードに手作り食をトッピングしてみても良いでしょう。
 犬は歯などの形状から考えると、元々はオオカミのような肉食獣でヒトと共存するようになり雑食に適応したと考えられています。
 肉や魚など(動物性タンパク質)を中心として、穀類や季節の野菜などを加えてみましょう。犬に与えてはいけないもの以外は、ヒトと同じものが使えます。なるべく多くの食材を入れるようにしてバランスのよい食生活を目指します。一般的に食材の量のバランスは、動物性タンパク質:野菜:炭水化物=3〜5:3〜5:1〜3が理想でしょう。年齢や活動量、体質によって変わってきます。

 次回はそれぞれの食材の与え方についてもう少し詳しくお話しします。

文責:獣医師 澤村めぐみ(2010/11/11)

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犬の手作り食のすすめ−3

食材について(1)

 犬の手作り食の材料は大きく4つのグループ(タンパク質、炭水化物、野菜・果物、その他)に分けられます。

1.タンパク質

 鶏肉には、胸肉、もも肉、砂肝、ササミ、手羽先、鶏レバー(脂肪分が多いので、与えすぎに注意)があります。牛肉は、脂身の少ないもの、新鮮であれば生でも大丈夫です。豚肉は、脂身の少ないものを選び、必ず加熱調理が必要です。他に馬肉、羊肉、骨、軟骨があります。魚では、イワシ、アジなどの青魚は健康によいとされている栄養素、タウリンやDHAやEPAを含みます。タラやカレイなどの白身魚は、脂肪分も少なく消化もよいです。塩分の少ないカッテージチーズやモッツアレラチーズもいいです。卵は、新鮮な物を選びよく加熱します。大豆製品(豆腐、おから)もいいです。

2.炭水化物

 白米を少し与えます。玄米は白米に比べビタミンや食物繊維も多く含みますが、消化が悪いのでやわらかく炊き、消化吸収の様子を観察しながら使いましよう。雑穀は鉄分やミネラルの補給もでき、不足しがちな栄養素の補給に適しています。うどんも使えますが塩分の摂り過ぎに気をつけましょう。パンは多いと太るので注意が必要です。

3.野菜・果物

 野菜は、肉食で不足しがちなカリウムや食物繊維の補給ができ、肉には含まれない色々な栄養素を含み、体調のバランスを整えてくれます。カボチャ、ブロッコリー、ニンジン、キャベツ、ダイコン、ハクサイ、サツマイモなど。果物はカリウムの補給などメリットも多いですが、糖質も多いため太ったり、下痢することもあるので控えめにしましょう。

4.その他

 昆布やひじき、わかめなどは、食物繊維やミネラルが豊富です。キノコは、カロリーは殆ど無く食物繊維やアミノ酸が豊富で、ビタミンDやβグルカンを含み、免疫活性効果も期待できるかもしれません。両者共、与える際には小さく刻みます。オメガ脂肪酸・不飽和脂肪酸を含む良質なオリーブオイルやサーモンオイルを添加します。

 次回は、与えてはいけない食材についてお話しします。

文責:獣医師 澤村めぐみ(2010/12/10)

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犬の手作り食のすすめ−4

食材について(2)
イラスト

 今回は、犬に与えてはいけない&注意の必要な食材についてご紹介します。

1.タマネギ

 犬では溶血性貧血の原因となり、少量でも死に至る場合があるので与えてはいけません。ハンバーグなどの刻んで混ぜたものや、牛丼の煮汁でも危険です。

2.チョコレート、ココア、キシリトール、ナッツ類

 中毒の原因となり、嗜好性も高いので与えないようにしましょう。

3.桃・杏子・梅の種

 中毒の原因や腸閉塞の原因になる場合があります。

4.生卵

 犬は生で食べると栄養障害を起こすことがあります。加熱すれば問題ありません。

5.調味料(塩、砂糖、香辛料など)

 犬には特に必要ありません。過剰な味付けは、健康を害します。香辛料は刺激が強いので、胃腸障害の原因となります。

6.加工食品(ハム・ソーセージ・かまぼこなど)

 人のために作られた加工食品は、塩分や香辛料が多く使われています。犬では腎臓や心臓、胃腸の負担になります。

7.鶏や魚の骨

 鶏の骨は加熱すると硬くなり、口や喉、消化器官に刺さることがあるので、注意が必要です。また、タイなどの魚の堅い骨も気をつけましょう。しかし、小骨の多い小魚などはカルシウムの補給にもなりますので、怖がらずに積極的に使ってください。

8.タコ、イカ、エビ、貝類など

 生ではビタミン欠乏症になることがあります。イカなどは特に消化が悪いので、与えないようにしましょう。乾燥したスルメなど、丸呑みして腸閉塞の原因になることがあります。

9.ぶどう、レーズン

 お腹で異常に発酵したり、中毒の原因となることがあります。

文責:獣医師 澤村めぐみ(2010/12/10)

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犬の手作り食のすすめ−5

犬の手作り食の効果は?

 食べているドッグフードの種類によって下痢や便秘気味の子、また食が進まない子が手作り食に変えると、見違えたように美味しそうに喜んで食べるようになり、便の状態も良くなることを多く経験しています。バランスの良い手作り食を与えることで、野菜や肉本来の自然な形で食物の消化吸収が行われ腸内細菌叢も改善します。
 また、ドッグフードに含まれる脂質が多いことや脂質の酸化が原因で消化器症状や、皮膚のかゆみを起こしていることがあります。更に、脂質の過剰摂取で高脂血症がみられる場合もあります。良質な手作り食に変えるだけで、高脂血症の改善、皮膚のアレルギー症状が改善してかゆみ止めのお薬がいらなくなった子もいます。
 また、尿路結石症の子は一般的には専用の処方食のドッグフードを治療に用いますが、その子にあった手作り食に変えることで水分も食事で多く摂れる様になり、結果的に改善することもあります。大切なことは、その子にあった食べ物を摂ることです。
 今は、犬の手作り食のレシピ本も多く出ていますので参考にするのも良いです。また、手作り食をすすめる獣医師に相談すると良いでしょう。

文責:獣医師 澤村めぐみ(2011/5/24)

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